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毎日のメンテナンス方法

日々のメンテナンスを行うことによってフランクミュラーの寿命は長くなる。メンテナンスに使える道具や、各パーツの汚れの落とし方、フランクミュラーの保管方法などを細かく解説。これらについての対処法を知り、日々の使い方に活かしてほしい。

毎日のメンテナンス方法

腕時計を大切に使うためにも

お気に入りの腕時計を手に入れて、嬉しくて毎日着用。けれど帰宅したらそのまま放置。そんな使い方をしていると、腕時計はすぐに故障してしまう。日々のメンテナンスを習慣化で自慢の愛機を長持ちさせるためには、セルフメンテナンスが大事になってくる。フランクミュラーのメンテナンスは日課にして、清潔な腕時計を気持ち良く着用したい。そうすれば愛着も強まるだろう。

日々のメンテナンスを怠ると腕時計はたちまち故障状態に

ステンレススチールは錆ないと思っている人も多いが、実際には「錆にくい」という認識が正しい。汗をかきやすい夏は日々のメンテナンスを少し怠るだけで、簡単に腐食が始まってしまう。またリューズ周辺に付着した汗や汚れで錆が発生すると、リューズがねじ込めなくなり、ケース内に水が浸入、というような故障の原因も生まれるし、ブレスレットがきちんとはめられなくなったり、錆で肌荒れを起こしたりすることもある。

これらのような故障を防ぐためにも、日々のメンテナンスで錆を発生きせない環境を保つことが大切だ。故障してしまうと修理代金も高くついてしまうので、余計な出費を防ぐ意味でも、日々のメンテナンスを習慣にしていこう。

腕時計の掃除に用意したい4つのアイテム

セルフメンテナンスに使えるアイテムはセーム革などの「拭き取り用布」「爪楊枝」「使わなくなった歯ブラシ」「綿棒」の4つ。セーム革以外は簡単に用意できるものばかりなので、自宅に揃えて腕時計をいつでも掃除できるようにしておこう。これらのアイテムを上手く使いわけて、腕時計の汚れを落としていく。週に1度か2度のクリーニングに備え、いつでも掃除できるように揃えよう。

  • 拭き取り用布
  • 爪楊枝
  • 使わなくなった歯ブラシ
  • 綿棒

専門的な道具としてはバネ棒外しやセーム革があると便利。腕時計を売っているホームセンターやインターネットで購入できる。バネ棒外しは自分でベルト交換するときに使うので、1本は持っておきたい。

時計をケアする際はタオルやフキンを使用せず専用クロスを用いるのが基本

時計用品専門店などで時計メンテナンス専用クロスを入手

タオルや布巾は手軽だし水気を良く吸い取って便利だが、繊維がリューズやボタンなどに引っかかりやすいという欠点もある。もし、引っかかったまま無理に力を加えると、部品の曲がりや損傷を招く恐れもあるので、時計メンテナンス専用クロスを使用すること。

代表的な時計メンテナンス専用クロスとしては「セーム革」や「マイクロファイバークロス」などがあり、価格は1000円前後。洗って何度も使用でき、数年は使い続けられるほど頑丈。何よりケアを安心して行えるので、ぜひ購入しておこう。ちなみに、セーム革とは鹿の革のこと。柔らかく汚れを落としやすいのが特徴。

手入れにはセーム革や柔らかい布を使う

着用後はセーム革や柔らかい布で、指紋や汚れ、埃等を拭き取ろう。ケースや風防だけでなく、ベルトやブレスレット部分もできるだけ細かく拭き取ろう。日々のお手入れ次第で数年後の状態も大きく変わってくる。

丁寧な日々のメンテナンスが時計の輝きと機能を守る

フランクミュラーを1日中着用していると、汗やタバコ、埃などで意外に汚れてしまうもの。でも「たかが汚れ」とそれらを軽視していると、時計本体に大きなトラブルを招くこともあるので注意しよう。

たとえば、ステンレススチールは空気中の酸素と反応して表面に薄い保護皮膜を形成する素材。通常の状態では問題ないが、汚れなどで酸素供給が遮断されると錆が発生しやすくなる。また、リューズの根元などに汚れが溜まっていけば、リューズがしっかりと閉じられなくなってしまい、そこから水分が侵入するなどの大問題に発展することもある。

万が一、機械内部に水気が侵入してしまい錆が発生してしまうと時計には深刻なダメージに。動かなくなったり精度が悪くなったりするので、修理が必要だが、その修復には分解洗浄や整備、部品交換を要するなど、膨大な期間と費用がかかってしまう。そのようなことにならないためにも時計の手入れはこまめに行おう。

とはいえ、時計の手入れといっても、作業は実に簡単。特殊な技術や工具は不要だし、手順通りに行えば、だれでも数分程度で完了できるので面倒がらずに実施しよう

ケース・風防の日々のメンテナンス

  1. セーム革や専用クロスで、全体の汚れを優しく拭き取る。ケースの表、側面、裏蓋、風防、ラグと順番を決めて丁寧に。
  2. ラグの内側など、セーム革が入りにくい細かい部分の汚れ落としには綿棒を使うと便利。綿棒が太すぎる場合は、指で細く絞って使う。
  3. 裏蓋のギザギザのへこみ部分やネジ、境目など綿棒では届かない部分は、使わなくなった歯ブラシを使って汚れを掻き出す。角度を変えて優しく丁寧にブラッシングしておこう。
  4. 風防とベゼルの境目に汚れが溜まっている場合は、爪楊枝を溝に沿って優しくなぞるようにすると、汚れを掻き出すことができる。

リューズ周りの日々のメンテナンス

  1. リューズは一時的にロックを開放。一杯まで引き出した状態にして汚れ具合を確認。汚れがある場合はブラシで優しく掻き出すに。気を付けたいポイントとしては、リューズを開放したままの状態で長い間保管してしまうこと。この状態で落下させてしまうと、大きなトラブルにつながりやすいため、リューズの汚れを落としたらすぐにロックすることを忘れないように。
  2. リューズの汚れがブラシで落ちにくい場合は、爪楊枝をネジ山に沿ってなぞらせる。太くて溝に入らない場合はカッターで爪楊枝を細く尖らせてから使用する。

ベゼル部分のメンテナンス

  1. ベゼルは境目をブラッシングして、埃や汚れを除去。回してみて回転がスムーズかどうかも、ついでに確認しておこう。
  2. ベゼル内部にゴミが入っている場合は、何回か回せば自然に排出されるが、それでもダメな場合は爪楊枝でそっと掻き出してみよう。

ブレスレットの日々のメンテナンス

  1. セーム革などの専用クロス類で、付着した皮脂などの汚れを除去。ブレスレットは表側だけでなく直接肌に触れる裏側部分も丁寧に汚れを拭き取ること。
  2. コマの間に汗などの水分が残っていると、錆の発生や菌の繁殖を招き、カビの原因の恐れもあるので、水気を良く拭いてしっかりと乾燥させる。
  3. コマの間に汚れがある場合は、ブラシの出番。ブレスを左手で持ち、右手で上下左右から角度を変えて1コマずつ丁寧にブラシをかけよう。
  4. バックル製やベルトの折り返し部分などもめくって、汚れがあるようならブラシや爪楊枝などで丹念に汚れを掻き出しておく。

革ベルトの日々のメンテナンス

  1. 革ベルトはその材質上、内部の繊維質に毛細管現象で湿気や汚れを吸収しやすいので、汗をかいたらこまめにクロス類で拭っておく。
  2. 帰宅後はクロスで汚れを落とした後、日陰で自然乾燥。内部に湿気を残すと臭いや傷みの原因になるので、しっかりと乾燥させよう。
  3. 汗をかいた日は、ベルトの内側(肌に触れる部分)にだけ固く絞った布をそっと押し当て、汚れを布へ吸わせるようにケアを実施。
  4. 臭いなどが気になる場合は革ベルト専用の消臭スプレー類を内側部分に3-4回スプレーしておけば、さらに安心だ。