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フランクミュラーの調子がおかしい場合

フランクミュラーを日々使用していると、動作がおかしい、金具が外れたといった不具合に直面することがある。この場合の対応方法を紹介する。

フランクミュラーの調子がおかしい場合

普段は精度・異音・操作感・磁気に細心の注意する

トラブルは前兆段階で素早く発見できれば迅速に対処できる

繊細で精密な構造を持つフランクミュラーは、思わぬ原因によって動かなくなったり正しい時間を示さなくなったりと、さまざまなトラブルに見舞われやすいもの。そんなトラブルを重大事故になる前に未然に防ぐ最善の策は、時計を常に観察し、些細な変化や予兆を見逃さないことだ。

たとえば、時計の精度が悪化して正しく時間を表せなくなったり、内部で異音が発生、リューズやボタンの操作が重くなったりした場合は、磁気帯びや潤滑油切れなど内部にトラブルが起きている可能性も。フランクミュラーに何か違和感を感じらたら、ある程度の原因を調べるとともに、早急に修理業者に検査や修理を依頼することが大切。被害が甚大になると修理までの時間が長くかかるだけでなく、修理費用も高額になる。素早く対応できれば、被害も最小限に抑えられることが多い。

時計の故障原因

故障の多くは、以下のような物に集約される。いずれも起こり得ることなので注意が必要だ。

  • 何かにぶつけた、落下させた衝撃による破損
  • 水没などによる浸水
  • 磁気帯び

トラブルの例

ゼンマイが切れた場合

技術の発展により、以前の機械式時計に比べて現在の機械式時計に内蔵されているゼンマイは切れにくいものが使われているが、雑な扱いや無理な力を加えたりすると切れてしまうこともあるので、巻き上げには注意したい。「正しい使い方を知ってフランクミュラーと長く付き合おう」で紹介している正しいリューズの巻き方を実践していればこういったゼンマイ切れは予防できる。

万が一切れてしまえば分解して修理することが必要。自分で修理できないので修理業者に依頼することに。頑丈なゼンマイを使っていればほとんど誤差の範囲だが、ゼンマイは季節の変わり目や梅雨時などに切れやすいので該当の時期にはある程度の注意は必要。

日付がズレて表示される場合

カレンダー付きの時計は、シンプルな3針モデルの取扱注意点とは若干異なる部分がある。それがカレンダー部分。そして、カレンダーの日付がズレるというトラブル。最も多い原因としては、午後8時から午前2時までの間に時刻合わせや、力レンダー合わせなどの操作をおこなった場合。

午後8時から午前2時までの間は日付に関する歯車がかみ合っている状態なので、先の操作をおこなうと各部分に負担がかかり、トラブルの原因になるのだ。ずれ修正は修理に出すしかないと思われる。

リューズを巻くとゴリゴリする場合

ゼンマイを巻く場合や時刻合わせの際に、リューズを操作し、「ゴリゴリ」とした抵抗を感じるようだと、ムーブメントにつながっている巻き芯とケースとの間の油切れや、ムーブメント自体にトラブルが発生していると考えられる。

油切れの場合には注油の作業で修復できるが、原因がムーブメントだと要注意だ。いずれにしても回したときに違和感があるのであれば、無理して回すなどせずに修理を依頼する必要がある。なお、修理依頼の際にはその旨をしっかりと修理業者に伝えておくとスムーズだ。

取扱時の破損には十分に気を付ける

衝撃は天敵

フランクミュラーは精密時計であり、衝撃は天敵。日常的な注意点としては、落としたり強くぶつけたりしないこと。ある程度の衝撃対策がなされているからといっても、丁寧に扱ってあげることが大切だ。

着用したままのスポーツは厳禁

着用したままのスポーツは厳禁

ゴルフなどの大きく腕を振るスポーツでは、時計に大きな衝撃が加わるので、腕にはめたままのスポーツは避けること。精密な作りのムーブメントはとにかく衝撃に弱く、スポーツでの衝撃には要注意だ。

テニスや野球など球を打つ瞬間の衝撃は時計に伝わり、その時の衝撃は落下にも匹敵する程。ムーブメントの各部分に負担が加わり、トラブルが発生していることが考えられる。

水没など、水に関するトラブルは即故障につながりやすい

水没など、水に関するトラブルは即故障につながりやすい

フランクミュラーの時計は、防水性はほとんどない。日常生活防水と記入されているが、水滴や雨水にも注意すること。もちろん、水中でリューズを操作するなどもってのほか。時計は浸水してしまい、壊れてしまう。

つまり、フランクミュラーをつけたまま風呂に入ったり、スイミング、ダイビングを行うことはやめておこう。というか、フランクミュラーはそのような時に着用する時計ではない。

水没させてしまったら

非防水のモデルなら内部に水が入っているのはほぼ確実なので、なるべく早く修理に出す。日常防水程度なら乾いた柔らかい布で水分を拭き取って、人肌で温めてみる。

この時風防の内側がくもったら内部に水分が進入しているので、同様に修理に出す。また海水の場合には非防水のものでも真水で洗浄してから修理に出す。塩分は内部を錆びさせ、決定的なダメージを与えてしまうからだ。

ガラス面が曇ったら水侵入の可能性が大、すぐさま修理

本体のガラスに曇りが生じたら非常に危険。その原因は、おそらくケース内に侵入した水分が気化したもの。そのまま放置すると錆の原因となりムーブメントに被害が及ぶので、いち早く時計修理専門店で水抜きを依頼すること。

磁気帯びによる故障

フランクミュラーの機械式であろうと、クオーツ式であろうと、どちらのモデルでも磁気の影響を受ける。このことを磁気帯びと呼ぶが、この状態になると精度に支障が出る場合や、最悪の場合止まってしまう事がある。 携帯電話、テレビ、パソコンなどの磁気を発生するものの側にフランクミュラーを放置しないように気をつけよう。

短時間なら一時的な乱れで電気製品から遠ざければ回復するが、長時間にわたり磁気の影響を受けてしまうと、機械が磁気化されてしまい、精度が回復しなくなるので、十分に注意したい。

故障した場合、修理はどこに依頼すればいいか

故障した場合、修理はどこに依頼すればいいか

動作がおかしい、金具が外れたといった不具合の修理は、必ずしも直営店に依頼しなくても大丈夫だが、やはりフランクミュラーの扱いに慣れているブランド時計修理専門のほうが安心。特に、普通の時計店では取り扱ってくれない場合がある。

修理やメンテナンスができる業者は限られている

ロレックスなどと違い、フランクミュラーは修理やメンテナンスが可能な修理業者は限られているので、修理対応も行ってくれる店舗で購入するといい。もちろん、それを目的としている場合は、購入の際に店員さんにしっかりと確認しておこう。

修理業者と言っても様々だが、例えば、インターネット上の時計修理専門業者でもフランクミュラーの取り扱いを行っていない場合も。もちろん、実施している店舗もあり、例えば「白金堂 」ならフランクミュラーの修理やオーバーホールを受け付けてくれる。

まとめ

日々のメンテナンスと、数年おきのオーバーホールが故障を防ぐ

長い間使っていれば細部も汚れてくるし、内部の油も劣化していく。そのままにしておけば動かなくなるだけでなく、内部の破損にもつながり、高額な修理費用が必要になってくる。

長期的にフランクミュラーを使っていくことを考えているのであれば、特に不具合がなくても定期的なオーバーホールを行おう。機械式なら3~5年に1度。クオーツは電池の寿命が通常2~3年なので、電池交換と一緒に行うのが合理的。