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フランクミュラーのココが凄い

フランクミュラーは、時間は人間が作った概念であることから、時計を作るにあたって、時間というものを視覚で判断でき、理解でき、そして不思議に思ってもらう、そういう時計を作るというシンプルな考え方の基に作られている。

フランクミュラーのココが凄い

スゴイポイント1.本来の時計でない時計を開発

トノー カーベックス クレイジーアワーズ ブラッククロコ

クレイジーアワーズでは、文字盤は本来の時計にあるような規則的な並びではない。時代が変わり、現代では個人によって大きな差が「12時」という時間の意味も変わっていることを表現していると考えられる。時計は、時間を計る道具にしか過ぎないため、別に12の位置に8があったって構わないわけだ。

フランクミュラーは、「つまりクレイジーアワーズは時間の意味を考えさせる時計だ」、というコメントを残している。また、時間を発明したのは人間だが、同時に時間によって行動や考え方を縛られている。

仮に人間が100年を超える寿命を持っていたとしたら、時間の意味というのは違ったものとなるだろう。フランクミュラーは、そういうふうに意味を考えることが大事だ、とも言葉を残している。 これはフランクミュラーが発信する時計に対する独自のスタンスともいえるだろう。

スゴイポイント2.常識を覆すような新発想を形にする技術

他を圧倒する複雑機構

通常、複雑機構とはトゥールビヨン、パーペチュアルカレンダー、ミニッツリピーターの3つを指す。いずれも数百に及ぶパーツを完璧に組み合わせねばならず、それらを製作できる時計士は必ずといっていいほど、「天才」と形容される。

複雑機構の時計とは
  • トゥールビヨン
  • パーペチュアルカレンダー
  • ミニッツリピーター

フランクミュラーもその一人だが、彼がその他の多くの天才と異なるのは、それらの複雑機構にデザイン的な要素を強く盛り込んでいるところにある。トゥールビヨンのケージを浮き上がらせて機構の全体を見ることができるようにしたレボリューションや、立体的な動きを実現したレボリューション2。パーペチュアルカレンダーにしても、デザインのバリエーションは製作した数だけあるといってもいいほどだ。

新機構まで複雑機構と賞賛されるようになったほど

ヴェガス

こうした技術的要素を背景に後押しされ、彼が考案した新機構まで複雑機構と賞賛されるようになったほどだ。

厳密な意味での複雑機構ではないが、ルーレットを組み込んだヴェガスや、ジャンピンクアワーを巧みにアレンジしたクレイジーアワーズなどは、フランクミュラーの天才的技術と発想なくしては作りえなかったに違いない。

フランクミュラーが天才時計師として賞賛されるのは、常識を覆すような新発想を形にする技術を持っているからでもある

スゴイポイント3.計算されつくした3次元曲線

トノーカーベックス グランギシェ

超美麗な3次元フォルム

フランクミュラーを代表するトノーデザインも腕にフィットしやすいように湾曲されたケースも実は彼のオリジナルではない。アール・デコ様式が大流行した1920年代から30年には、フランクミュラー作品の原型となった腕時計が数多く作られていた。

クランクミュラーのトノーカーベックスが優れているのは、ケースのアウトラインをすべて曲線で構成されているところにある。それは3次元曲線として称され、どの角度から見ても直線のない優雅さの極地といってもいい美しさだが、ケースの仕上げはもちろん、風防のサファイヤクリスタルまでも3次元曲線に沿って仕上げることは至難の業だ。

人の目を一瞬でひきつけるデザインや、時には奇抜とも思えるアイデアに目を奪われがちだが、そのベースになっているのは、すべてのラインの均衡を求めて、計算されつくした3次元曲線だ。

スゴイポイント4.遊び心を感じさせるデザイン

デザインの面白さ、遊び心の大切さを教えてくれる腕時計

ロングアイランド カラードリームス

時間に終われる現代人にとって、腕時計は大きく2つの要素が加味されている。1つは正確に時間を刻み続けること。その究極といえるのが電波時計ではないだろうか。

その電波時計の対極にあるといっていいのが、時間を忘れさせてくれる機械式時計。トゥールビヨンは、かつては正確に時を刻むためだけに発明されたものだが、今ではその役割は薄れ、動きの面白さが時間に縛られる現代人を和ませてくれる。

ルーレットが組み込まれたヴェガス

ヴェガス

ルーレットを組み込んだヴェガスにいたっては、その機構が時計とは無縁のものだけに、正確に時を刻むという本来の要素がより希薄化されている。

インデックスが無秩序に並べられたクレイジーアワーズ

ロングアイランド クレイジーアワーズ

整然と並べられているのが当然のインデックスが、一見無秩序に並べられたようなクレイジーアワーズでも、時間の観念を遊び心で崩そうとする試みのように思える。フランクミュラーはデザインの面白さ、遊び心の大切さを教えてくれる腕時計でもある。